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執筆者の写真ふじおかんたろう

「花」について


先日、実家の青梅市に帰ると、

花がたくさん咲いていた。

散歩すると、おどろくほど多くの花に出会う。

僕はいつから花を花と認識したのだろう。

僕はいつから花をキレイだと思うようになったのだろう。

人はどうして、花をキレイだと思うのだろう。

キレイという言葉は少し足りない。というか、過剰かな。どうして、花に惹かれるのだろう、の方が近い。

美的感覚は人それぞれと思えるけれど、花はみんななんとなく惹かれる気がする。

なぜ?いつから?

そんなことを思い、花について改めて調べると、端的に言えば、

花って

植物の生殖器なんですね。

そう言えばそうか。

花粉をまいてもらいたいから、虫が寄ってくるように花を派手にして、蜜をあれしたり、いい香りをさせたりするらしい。(かなり曖昧な情報なので間違ってる部分もあるかもだけど)

なるほど、生殖器と思うと、なんだか、ますます花が好きになる。

植物の枝、幹、葉はほとんどの植物が緑なのに、花だけはどれもカラフルな不思議。(植物が葉緑体をもっているせいだろうけど)

それぞれがいかに個性的で美しく儚く力強いことか。またどこか無邪気でかつセクシー。

そんな花のことを思いながら、最近満開の桜の木の下を歩いた。たまたま通りがかったのだが、低く空を隠すように広がる桜の下に立つと、まるで浮世と違う別世界にいるような心地がした。見上げる限り薄いピンク一色。妖艶で、空気にアルコールでも含まれているんじゃないかというような酔わせる雰囲気。この花ひとつひとつが生殖器かと思うと、また酔っ払う。何百、何千という薄いピンク色の生殖器がこっちを見ている。そりゃあ、この木の下で酒を飲みたくなったり、この木の下で人が発狂したりするだろうと納得してしまった。今まであまり好きにならなかった桜だったけれど、なんだか興味がわいた。ああ、この花は、花の中でもかなり特殊なエネルギーをもった花なんだなと思った。

女の子は、ほとんどの人が、花が好きだ。

僕はその能力(?)をすばらしいと思う。

女が男と一線をかくす象徴のひとつだと思う。

女性は花なのだと思う。

そして、女性はすべからく、男にとってミューズなのだと思う。(幻想とか、願望とか、そういう意味じゃない、僕にとってほとんど事実だ)

女性が男性にとって圧倒的に勝ることのひとつは花を美しいと思う能力だと思う。そして、そのたぐいの能力の完璧さ故、文化や文明の多くは男が築くことになったのだと思う。

花の本を買った。

これからは、花の名前を覚えようと思う。

また、食費を少し削っても、部屋に花を飾ってみようかと思う。

写真は、フリージア。


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