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執筆者の写真ふじおかんたろう

まっきーの家をほめる


ともだちってなんだろう。

ともだちをつくろう。

そう去年の末に思ってから、まっきーとともだちになることにした。まっきーはともだちになってくれた。まっきーは酒巻誉洋。

そんなまっきーと奥さんつじこが暮らす家に遊びに行った。

先月誕生日だったので「木瓜」の鉢植えをプレゼント。

まっきーの家をほめたい。

素敵なおうちだった。

まっきーの家をほめる。

僕は一時期銭湯マニアで、多くの銭湯をめぐる生活を送っていて、趣のある素敵な銭湯に出会うとたいそう心が踊った。しあわせな気持ちになった。まっきーの家もそれと同じだった。

平屋木造の一軒家。

建物のもつ雰囲気、温度、湿度、匂いどれもちょうどよくて心地いい。

小物がとにかくたくさんあるのにごちゃごちゃした印象がまったくない。それぞれのモノがあるべき場所にきちんと収まっている。

奥さんの哲学がところどころに顔をのぞかせる。

モノと場所が互いにとても馴染んでいる。例えば、お手洗いの水が流れる場所に、鶴と雉のフィギュアが置いてある。よくわからないけど、馴染んでいる。玄関入ってすぐ、パレードみたいな飾り付けが天井からぶら下がっている。よくわからないけど馴染んでいる。(これは最近追加されたアイテムらしい)

利便性と趣が完全に同居している。

日々少しずつ改良が加えられて今の形に収まっているのだろう。真似したいけれど、とても一朝一夕で同じことはできない。飽くなきDIYの形跡が随所にある。

しかも、勝手な想像だけれど、2人がそれぞれ1人で暮らしていたらきっとこんな雰囲気の部屋にはなっていないのだ。近い雰囲気にはなっても、今のあのおうちで起きているささやかな化学反応は起きていないだろうと思う。お互いがある程度勝手にアレンジして、互いに許しあっている感じ。

今時、ここまで懐かしさ溢れる家も珍しい。そのアナログ感というかレトロな雰囲気が、決してレトロ風にしたいであるとか、インテリア雑誌を必死にめくって家具を集めたであるとか、そんな雰囲気がないのもいい。時代にわざと逆らおうとするではなく、お互いの好むようにやっていったらああなったのかなと思う。そこに力みがないし、ただ「楽しい」。とてもゆっくりしているけれど、揺るがないものがある家。

静かな暮らしや、穏やかな暮らしは、決しておじいさんのためのライフスタイルではない。静かさや穏やかさを選ぶことの中に、すごく激しいエネルギーがあるし、その選択自体に強い意志がある。

誰かののぞみを叶えることの方がある意味簡単なのかもしれない。

僕にとって、勇気や希望をもらえる家だった。

一部塗られたパステルの壁の色がまた、ばつぐんに効いている。

ほめまくっている。

まあ、家だから人をほめるより、なんだか照れくさくなくほめられる。

日本語では「小」という形容詞(?)がつくとほめ言葉になることが多い。そんな「小」という文字がたくさん当てはまる素敵な家でした。小ぎれい、小体、小じんまり、小粋、etc.。

勘だけで選んだ、お祝いの「木瓜」がとてもとてもよく似合う。

また、ともだちに会いに、あの家にいこう。


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